私は貧血気味です。鉄分、ミネラル不足と体臭は関係ありますか?
私は貧血気味で、生理の前には頭がグラグラするし、上が80くらいとかなりの低血圧になります。
(健康診断では貧血のために内科に行ってみたほうがいいとは言われました)
これも体臭と関係するのでしょうか?
また、もし他にもビタミン・ミネラル等で不足すると体臭のモトになるものがあればお教えくださいませ。
また、それらは市販の錠剤でカバーできるものなのでしょうか。
それとも食事で取るべきなのでしょうか?
貧血と体臭との関係
第一は、貧血では身体の抹消の組織にまで十分な酸素が供給できないことです。
酸素不足になると、汗腺は発汗のエネルギーを無酸素下での「解糖系」という不完全燃焼で行わなければならず、乳酸という燃えカスが生じます。
乳酸が汗のなかに増加すると、つられてアンモニアも汗のなかに増えてくるのです。
第二は、酸素不足の時には「悪い汗」をかきやすく、血漿の成分が大量に汗の中に漏れてしまい、ニオイの強い汗になります。
さらに悪いことに「悪い汗」をかくと特に「鉄分」の喪失が著しくなり、ますます血中の鉄が不足して、貧血がひどくなるという悪循環を招きやすいことです。
あなたの場合は、まず内科にて鉄の不足の状態を検査してもらう必要があります。
場合によれば、フェログラなどの鉄剤の服用も必要でしょう。
食事は当然レバーなどの鉄を多く含んだものを取りますが、貧血の強い人はたいていこのレバー類が苦手なことがあります。
その場合には、漢方薬も効果的です。
時間があれば面倒でも煎じ薬がよいでしょう。
今はあらかじめ煎じたものもありますが、鉄の不足している人は昔ながらの鉄鍋で煎じると自然に鉄分が抽出され効果的です。
さらに、鉄を補給したらその鉄が汗のなかに漏出しないようにします。
そのためには、「納豆」をたくさん摂取してください。
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモン用作用があり「悪い汗」をかくのを抑制し、体内に鉄分を保持する作用があります。
以上のような、体臭というものは体のバランスが崩れた状態で生じやすいのです。
健康な体には本来体臭は宿らないのです。
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。