口臭か、体臭か、酢っぱい匂いを感じます。
私は32才、男性です。
ちかごろ自分の口臭か、体臭か分からないのですが、酢っぱい匂いを感じます。
なぜでしょうか?又、どうすれば治るのか教えて下さい。
過度なダイエットもニオイになります
自分の口臭や体から「酢っぱいにおい」や「甘酢っぱいにおい」を感ずるときは、ケトン体のにおいの可能性もあります。ケトン体というのは、アセト酢酸やアセトンなどの脂肪酸の代謝産物の総称ですが、これらの物質は尿や呼気から排出されるとき「甘酢っぱい」においがします。
ケトン体が体に増加する代表的な状態は、「糖尿病」のときです。
ケトン体は、脂肪組織から脂肪酸が大量に遊離してくるときに出来やすいのですが、糖尿病では糖を代謝するインシュリンが不足しているため、エネルギー源として糖ではなく脂肪酸を利用するために、ケトン体が血中に増加するため このようなにおいになることがあります。
ですからあなたの場合にはまず内科の病院で糖尿病の検査を受けられることをお薦めします。
「甘すっぱいにおい」がするもうひとつの原因があります。それは「過度なダイエット」です。
急激に過度の節食をすると、体は一時的に血液中の「糖」の濃度が低下して、飢餓の状態になります。
人間は生きていくためにはエネルギーが必要ですかから糖がなくなれば当然皮下の脂肪組織から脂肪酸を遊離させてエネルギーを供給しようとします。しかし、糖が不足した状態では「クエン酸回路」というエネルギー生産機構がうまく働かずに、遊離した脂肪酸は利用されずに肝臓で「ケトン体」になってしまい、糖尿病のような甘すっぱいにおいが口臭や体臭として感ずることもあります。
最近、若い女性でダイエットを始めたことがきっかけで、今度は体臭について悩みはじめる人が増加しています。体臭予防の観点からは、ダイエットは糖質を減量して飢餓の状態にするのではなく、一定量の血糖値を保ちつつ尚且つ適度な有酸素運動で脂肪を燃焼されるのが望ましい方法です。
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

