わきが以外の体臭も年齢と関係ありますか
わきがと年齢は関係があるんですね。
始まる時も終わるときも。
それで思ったのですが、わきが以外の体臭も年齢と関係があるのでしょうか。
加齢臭はその名の通り関係がありそうですが・・・。
高齢者介護のニオイ問題も大切。
これも大変よい質問です。
ご指摘のとおり、わきが以外の体臭も年齢、特に老化とは非常に密接な関係があります。
まず、人間とは身体の老化とともにより多くのニオイをだすものだとい認識をするべきです。
例えば、高齢になり唾液の分泌が低下するにつれ口臭は強くなり、肺の換気能や心臓の酸素供給能が低下するにつれ、汗のアンモニア濃度は増加し、身体に活性酸素や過酸化脂質が増加するにつれ、皮脂腺からの「加齢臭」は増加し、
膀胱や腸の排泄能が低下するにつれ、尿や便の失禁のニオイは増加する、といった具合です。
つまり、人間は高齢化するにつれニオイを撒き散らす存在と言ってもよいでしょう。
それが今問題になっているところであり、わたしが今最も関心をもっている研究分野なのです。
つまり、その問題とは「介護現場のニオイケア」ということです。
医学が進歩して平均寿命が延びるということは、一方で自立機能が衰えたお年寄りや寝たきりの高齢者が増加することを意味します。
必然的に「介護」をする人びとの負担を軽減する手立てが必要となります。
介護保険はそのための一つの手段でしょう。
しかし、介護者の負担は決して肉体的なものだけではありません。
心理的、精神的なものもあります。
なかでも、これまで無視されたり、仕方がないとされてきたのが、「介護臭」の問題です。
「お年寄りのケアは、好きなんだけれどニオイがどうも・・・」
「おじいちゃんを出来るだけ家で見とってあげたいけれど、失禁のニオイ家に染み付くのが・・・」
というニオイの悩みをもっている人がたくさんいます。
そこで、今このようなニオイ問題を、「ニオイものにふた」ではなく、正面から取り組み、高齢者の具体的な「ニオイ介護」の方法や「ニオイケア」の技術を確立する必要があるのです。
医学博士。体臭・多汗研究所設立。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる。「診療外科」を新しい医学分野として提唱。体臭・多汗治療の現場で実践。日本心療外科研究会代表。『汗をかけない人間は爬虫類化する』(祥伝社)他、著書多数。

